コンテンツ

2016 / 03 / 24


私はタオルが蛍光灯に当たって、なんとなく良いなと思った。
あと横に置いているコップも気に入っていて、
そして鏡もあって、なんとなく写真に撮ったら良いのではと思っただけだ。
けれども洗面所のごちゃごちゃと置いてあるものが多すぎて、
少しずらして、そうすると壁が写ってしまうのだが、
その壁の黒があったほうがなんとなく面白い気がすると思った。
構図というより、何が要らないのかを考えている。

写真はその一連の結果である。
結果から行為の意味について考える。
写真を読むことは難しいけれども、そういう風にどんな瞬間だったのかを思い出す。

写真とは光で描かれたもので、
光で描いたり読んだりすることの方が大切で、
使う道具はさほど関係ないとルイジギッリは言っていて、
私はなるほどなあ、と思った。
写真というのは一つの学問だと思った。

なんていうか、そういう風に写真を教えてくれる人に私は今まで出会ったことがなくて、
でもそういう風に教えてくれる人に、本だけど、出会えて良かったなと思った。
写真は銀を使ったり、暗闇で一人でプリントしたり、
ルイジギッリの言葉を借りれば、錬金術のようなその行為、と言っていて、
まさしくその通りで、出来上がるものは紙一枚だけど、
でも多くの工程を経てその一枚にたどり着く。
それで、やっぱり綺麗だなって思う。
モノクロでもカラーでも、綺麗だなと素直な気持ちで感じられる。
そういう風に感じられるものがやっぱりすき。

シンプルな気持ちで感じとれる綺麗なものを一番大切にしたい。